受験漫画の金字塔「ドラゴン桜」が新章スタート!15年前のノウハウは現代に通用するのか?!
「バカとブスこそ、東大へ行け!!」
大学進学に一石を投じた名台詞。倒産寸前の龍山高校を進学校化すべく、桜木弁護士が当時の常識だった勉強方法を覆し、偏差値30代の学生を東大入学まで導くサクセスストーリー漫画「ドラゴン桜」。
この続編が1月25日発売の「モーニング」より、連載スタートしました。
前作のドラゴン桜はドラマ化もし、毎年のように夏休み頃に再放送されていた気がします。(またはGTOの再放送が夏休みの定番)
受験生だったころはあまり漫画もドラマも見ていなかったのですが、現在の仕事を始めてから思い出して一気に読み直し、当時これを読んでいたら東大に入れていたかもしれない・・・そんな錯覚をもしてしまうほどの名著だと感じておりました。
特に、スケジュールの立て方(完璧なスケジュールを立てても意味がない、スケジュールを立てようとして立てると自分の理想が入ってしまう、その結果それよりも出来なくてやる気が削がれていく)や、
ポジティブ思考のクセ(身の回りのことに丸をつける、否定して考えるのではなく○をつけて考える。一人で孤独だから辛い→一人だから集中して頑張れる)などは、
社会人になってからでも役に立つ教えだと思います。
ところで、なぜこのタイミングで新章の連載が始まったのでしょうか。
新連載の告知は「2020年の日本にはこの男が必要だ」「2020年に実施される国家レベルの超重要案件とは何か。…日本の教育システムが変わる。教育が変われば、社会が変わる。激動の時代を前に、あの男がモーニングに帰ってくる––!!」とのこと。
つまり、入試改革によりこれまでの入試制度が廃止され、受験生を始め保護者や関係者も、どのように対策をしたらよいのか不安になっている時期に合わせた連載なのだということだと思われます。
たしかにまだまだ入試改革の全貌は見えず、受験対策は難しい。。。桜木先生を頼りたくなる気持ちは前作ファンの私も一緒で、ぜひ教えてほしいという気持ちです。
しかし、桜木先生は旧来の入試制度で実績を出していた方。新しい入試制度でも同じ結果を簡単に出せるということは困難なはず。漫画だからさ、ってことであれば桜木先生のお弟子さんでも主人公にして、桜木先生の後継者を主人公にした方がすんなりいくのでは…?
しかも桜木先生だけではなく、前作で偏差値30から爆上げして東大に入学した直美も桜木先生の助手として登場する様子…。
その理由はもしかしたら、制度が変わっても「入試で求められる能力は変わらない」ということなのかもしれません。
前作の話で、教室から街に飛び出して、様々なものに興味を持ち考える授業があります。世の中のモノゴトに何故?と疑問を持つ感覚を養う訓練です。
これこそが勉強の本質であり、社会で求められる能力だと思います。
今までは東大しかこの本質を問う入試がなかったかもしれませんが、入試制度改革によって「バカでもブスでもなく、そこそこの大学」であってもこの能力が必要になるかもしれません。
桜木先生は入試制度が変わっても、受験で求められる能力は変わらない。ということを教えに帰って来てくれたのだと思います。
おそらくドラゴン桜2でも東大生を輩出してくれるに違いありません。
そのための授業内容はもしかしたら前作と大差ないかもしれませんが、前述したように社会に出てからも活きる教えばかりなので問題ありません。
その結果より強固な受験漫画金字塔としての地位を確立してもらえれば、一ファンとしては大変満足です。
ただ唯一気になる部分は、変わらず東大を絶対としてゴール設定するかということです。
以前とは学生の価値観が変わっていますし、東大に入って官僚にならずとも社会のルールを変える(もしくは作る)ことが可能になってきています。
多様化する価値主義の中で東大を絶対解として置くのかという点がとても興味深いです。
どちらにせよ、ドラゴン桜2がこれからの入試制度改革における大きなヒントになると思うので、今後の展開に期待です。
バカでもブスでも東大志望でなくても、ドラゴン桜は必読!