自分にあった進路を見つける話

「大学に行けば大丈夫」な時代は終わり。進路について調べたり、見たり、聞いたりした話しをまとめていきます。

専門学校が人気を取り戻すために

高校を卒業したら。

大学進学か、専門学校進学か、就職か。

 

この中で最も低いのが専門学校への進学です。

(大学進学率:約55%、専門学校進学率:約16%、就職率:約18% ※平成28年度学校基本調査より)

 

なぜ専門学校は人気がないのでしょうか。

ひとつは、専門学校の良さがまだまだ高校生に、そして高校の先生や保護者に伝わっていないということがあると思います。

もう一つは、専門学校がこれからの時代に合わせて変化をしなくてはいけないのだと思います。

 

ハウステンボス、和田中学校、プロレス、広島カープ・・・etc

人気を取り戻したものは皆、広告効果と時代に合わせた変化の相乗効果でV字回復を遂げています。

 

専門学校が人気を取り戻すために必要と考えられる「変革」とは?

 

・専門学校の成り立ち

そもそも専修学校(専門学校)の成り立ちは、昭和51年に新しい学校制度として創設され、学校教育法の中では「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図る」ことを目的とする学校であるとされており、「実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う教育機関」と定義されています。
 つまり、専門学校教育の中心は「技術の習得」にあるようです。昭和の頃は大量生産大量消費、生産性=人でしたから、実際に現場で特定の作業だけを行う人材を育成するということは、当時の教育機関として当然の役割だったと思われます。専門学校で養われる「専門」とは「特定の技能」と言えるかもしれません。

 

・これから専門学校に求めらる「専門性」とは

これからの時代に求められる「専門」とは技能に限られたことではないと思います。専門分野を軸にした考え方や発想というような「専門的な知見」というも併せ持つことが求められると思います。例えば、調理でいえば、美味しい料理を作る技術だけではなく、食物の栽培や栄養などの知識に通じていたり。そして、調理を通じて自分なりの哲学をもつ、までが専門学校の教育で行われる必要があると思います。

職業人を育てるのではなく、専門家を育てる。

自分の専門分野をもって、社会と向き合う事で、自分に対しての自信や誇り、そして稼ぐ力を身に着けることができるのではないかと思うのです。

 

・社会人が通い安い体制にする

とはいえ、高校生のうちから自分の専門性を見つけることは簡単ではありません。18年そこそこで知れることなんてたかが知れています。社会に出て働いてみて、初めて知れることもたくさんあります。

だから社会人こそ、専門学校に再進学をしてほしい。自分が働いた経験を活かして、その経験に専門性を追加することで、他の人にはまねできない自分になれると思うのです。

また今までの時代は、藤原和博氏も言うように「人生富士山型の一山」の人生観でしたが、これからの時代は「八ヶ岳連邦型」の人生観に変化していくと思われます。

そうすれば30歳や40歳での学び直しというニーズも着実に増えることが予想されます。

このニーズに応えるためには、専門学校が受入体制を整える必要があります。具体的には、学費の減免、奨学金の拡充、夜間部・単位制の導入、など。

高校生と違い、社会人は自ら学費を出さなくてはいけないですし、働いている場合は昼間部に通うというのは現実的ではありません。社会人を知り、社会人が通い安い体制を整えた専門学校がこれからの時代を生き残ると思います。

 

「職業技能を身に着ける学校」から「専門性を身に着ける学校」へ。

この変化が、専門学校人気を取り戻す鍵になると、思うのです。